語ること

 1985年2月におはなし ざしきわらしの会を立ち上げ、おはなし の会を休むことなく図書館で毎月続けてきましたが、コロナ禍の影響で4ヶ月連続でおはなし の会がお休みとなり残念ながら記録更新中となっています

 図書館が閉館になり、人を集めるために知恵を絞ることが当たり前だったのに、人が集まる事は望ましい事ではないという変化に、どう対応して行こうかと社会全体が考えています。

 こうなってみて思うのは、私たちが、物語に親しむ入り口として、子どもたちと楽しんできた、ストーリーテリングは、ひとりのために語るものではないということです。

 読書はひとりのものですが、ストーリーテリングは集団のものなのだと思います。聞き手同士の親密度や面識度に左右されず、物語を一緒に旅する同行者という形の集団は、ちょうどツアーの参加者同士の距離感なのだと思います。見知らぬ者同士でも、旅の魅力で一緒に楽しめるのと同様に、私たちが物語の魅力を再現できる語りを身につけることで聞き手が集団で楽しめるのだと思います。