物語を語る時、イメージが大事、イメージを作るという言い方をします。
イメージを語り手と聞き手が共有するのがストーリーテリングの姿だと思います。
共有するのはイメージですが、その媒体となるのは言葉です。
言葉が先かイメージが先かと言えば、多分イメージが先なのだと思います。
誰かの心を揺さぶった体験や出来事を、言葉で共有しようとしたことで、初めの物語が生まれたのだと想像します。
それが地域を超えて広まり、国を超え、時代を超え、たくさんの人の口を通じて伝承されてきたものが昔話だと思います。
そう考えるとイメージは言葉の源であり、言葉はイメージを伝える道具だといえます。
見えるように語ることが、言葉とイメージの終着点なのかもしれないと思います。
これは、喜怒哀楽を伝えて共感を呼び起こす方法より、物語を渡す方法としては読書に限りなく近いのではないかと思います。
見えるように語れてこそストーリーテリングは聞く読書といえるのだと思います。