絵が語っているか、絵読みができるかどうか、つまり集団の読み聞かせに使える絵本かどうかは、読み聞かせを聞けばわかりますが、自分ではわからないので、聞いてもらう相手が必要です。
ですから、集団に読み聞かせをしようと思ったら、聞き合う場を確保することが大事だと考えています。
おはなし ざしきわらしの会では、聞き合う場を勉強会と呼んで、月1回のペースで開いています。
思い返してみると定期的におはなしの会をするようになってから月1回の勉強会を休んだのは、先日の緊急事態宣言で図書館が閉館になった時だけだと思います。
その位、聞き合うことは読み手にとって必要なことです。
特に初めて取り組む絵本は必ず、勉強会で聞いてもらってから、子どもたちに使います。
使おうとする絵本が集団の読み聞かせに使えるかどうか、その絵本と読み手が合っているかどうかを確認するためです。
そして同時に、どの世代の子どもたちに聞いてもらったらその絵本が生きるかも判断しています。
経験を積むと、おおよその判断はつくようになりますが、それでも聞き合うことで、予想と違う結果が出ることもあります。
また、使えるかどうか迷った本を判断する場としても、勉強会を活用しています。
そして聞き合うことで、自分が見えてきます。他の人の読み聞かせを聞くから、自分の個性や感性を自覚できるのです。
勉強会と言っていますが、聞き合う場ですので、読む人数にもよりますが、短時間でも可能です。
大事なのは、聞き合うために集まった人たちの信頼関係だと思います。読み聞かせの目的が一致している間柄で、どう聞こえたかを遠慮なく言える関係が望ましいです。褒め言葉しか言えなかったり、本音を言うと人格を攻撃されたと誤解してしまうような関係での勉強会は成り立ちません。
とは言っても、信頼関係は一朝一夕にはできないものです。既存の勉強会に参加したり、講師を交えて行うことから始めるのが、現実的かもしれません。
とにかく、集団に読み聞かせをするなら、聞き合う場を探したり、作ったりすることをお勧めします。