私たちは、読み聞かせはイベントではなく日常的なものと考えているので、活動基盤である図書館でのおはなしの会は、図書館が休館にならない限り、定期的に行っています。
そのため、いつも本を選んでいるという状況にあります。
私たちが選ぶ絵本は、時代が評価を通した絵本、読み継がれてきた絵本が多いです。
読み継がれてきた絵本は、絵に力があり、見ているだけでも物語が伝わり、読んでいる私たちも読み飽きないからです。
時代が評価を通した本だけでも、おはなし の会で読みきれないほどあるので、どうしても新しい本が入りにくいということもあります。
もちろん新しい本は入れないという信念があるわけではありません。新しい本を勉強会で試すこともあります。そしてその中から、私たちがよく使うようになる絵本が見つかることもあります。
特に聞き手が元々集団になっている場、小学校、保育園でのおはなし の会は、クラス単位でお引き受けしている事と、担任の先生にご一緒していただくので、子どもたちの特性に合わせて、新しい本も必要になったりします。
このように、おはなし の会のために、絵本を読んでもらう形で、古い絵本から新しい絵本まで様々な絵本に出会っていると、物語にその時代の価値観が入り込んでいるのに気がつきます。
多分、時代が評価を通した絵本を苦手に思う人たちがいるのは、その辺に問題がありそうです。
けれど時代が評価を通した絵本の魅力は、古い価値観が見え隠れしたり、現在では見かけない旧式の乗り物や家並みが描かれていることで、削がれる事はないのだという事にも気づかされます。