おはなし

 こうやって、ブログを書くようになって気がついたことがあります。

 私は、無意識に読んでくれる人を決めて書く癖があります。誰に向かって書くのかが、定まらないと書けないのです。

 これが一般的なことなのか、私が珍しいのかはわかりませんが、今まで私が話す方が好きで、得意だと思っていた理由がここにあるような気がします。

 話す時は、相手がいるので、当たり前すぎて重要なことだと思っていなかったのです。

 こう考えると、「おはなし 」という言葉は、ストーリーテリングの日本語訳として、ぴったりだと思います。

 語り手が紡ぐ物語を聞き手が受け取りながら一緒に物語に入っていく、別に聞き手が合いの手を入れる訳でも、リアクションが必要な訳ではないのですが、物語を受け取ることで、一緒に「おはなし 」の世界を作っているのだと思います。

 個人的な印象ですが、「かたり」というと語り方や語り手側に重心をおいた感じがします。

「素ばなし」という言い方も、道具を使わない、手振り身振りもしないということを伝えるための便宜上の言葉な感じがします。

 伝承の語り手や、様々な語り方がある中、私たちのやっていることがわかりやすいように、ストーリーテリングという言葉を使っていますが、「おはなし 」で分かってもらえるようになると嬉しいと思います。