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変化は進化

 目指していることが、変わっていない以上、変化してはいけないと長いこと思ってきました。

 教えられた通りに再現することが重要だとも思ってきました。

 物語は揺らがない、絶対の世界です。物語が主体で語り手は額縁だとしたら変化しようがない気がしていました。

 そして声で伝えている以上、語り方、読み方が物語を形作る大きい要素だと思ってきました。

 けれど、最近は物語を形作る一番の要素はイメージなのだと思っています。

 ストーリーテリングは、イメージを目でみることができないので、分かりにくかもしれませんが、絵本ならどうでしょう?

 絵はイメージを具現化したものだと思います。絵に物語の全てが表現されているので、私たちのすべきことは、より絵が目立つ事、映えることを考えることではないかと考えるようになりました。それこそが額縁の役割ではないかと思ったのです。

 イメージが主役と意識しだしたら、私の語り方、読み方は大きく変わりました。恥ずかしながら、ようやくこの地点にたどり着いたともいえるかもしれません。私の先生である藤井先生にこの話をしたら、だからそう教えたじゃないと言われそうです。

 習得したものを守ることばかりでは、見えないことがあるのだと、今更ながら感じています。

 変化は、必ずしもいい方向にいくとは限らないので、守りに入る気持ちは分かります。

 でも、私たちには、勉強会があります。変化を恐れず、聞き合う場を有効に使いたいと思います。変化しなければ、進化もないのですから