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ボランティア

 私たちは、ボランティア、といっても無償を目指しているわけではなく、呼んでくれる側の予算に合わせて、いただける分だけで活動しています。予算がないからできないという状況を避けたかったからの選択です。

 当然、個人の持ち出しもあります。会場までの交通費、活動に使う消耗品などは個人負担です。

 そんな訳で活動を始めた頃は、まだボランティアという言葉が世の中に浸透していなかったこともあり、あまり肯定的にとってもらえない感じでした。

 けれど、活動すること=お金を生み出すこと と考えなくて良かったことが、本質を見極めていくことにつながったと感じています。

 もちろんこれでやってこれたのは、私たち個人個人の力だけでなく、それぞれ生活を共にしている家族の理解とサポートがあったからこそ、できたことだと思います。

 加えて、私たちが、ほぼ同世代のメンバー構成で、私たちの世代は、女性が結婚でキャリアが途切れることが当りまえだったことも大きかったと思います。

 ところが時代は変わり、女性もキャリアを途切れさせずに働くことを選択する人が増え、ボランティアをする時間を持てない人が増えています。

 一方、未曾有の災害が起こったこともあり、ボランティアの活躍が大きく取り上げられ、ボランティアがめずらしいことではなくなってきています。

 そして、経済に陰りが見えてきたためか、ボランティアを無料で使える労働力と捉える人が出てきています。

 けれど活動する人たちが自発的に考え行動するからこそボランティアなのだと思います。ボランティアを受け入れる側と活動する側、どちらが主体になっても成り立たないのではないかと感じています。

 ボランティアをする側も受け入れる側も時代の変化に対応しながら、答えを見つけていく時期が来ている気がします。