締め切り

 ストーリーテリングをするために、締め切りが必要だと感じています。計画的にコツコツやらなければならないというより、締め切りがないと区切りがつかないという感じです。

 ストーリーテリングが語り手と聞き手で作る物のため、ひとりで練習していても形にならない部分があることと、どの状態を以て完成とするのかがはっきりとした基準として捉えられないからだと思います。

 完成に関しては、言葉が正確に再現できるとか、淀みなく語れる事が語り手に達成感をもたらすこともあり、そうなることでストーリーテリングが仕上がったと感じる語り手は少なくないと思います。けれどストーリーテリングは、イメージと言葉の結びつきが重要なので、間違えないつっかえないということに注目していくと仕上がりの状態が分からなくなります。イメージと言葉をセットで受け取る事は聞き手にしかできません。語り手は聞いてもらう経験を積む事で、イメージと言葉がセットになっている状態を感覚的に覚えていくのだと思います。

 そこで、聞いてもらうことが重要になりますが、そのために必要なのが、締め切りだと思います。出来上がったら聞いてもらうでは、いつまで経っても語ることができません。とりあえず語ってみるという言い方を以前もしましたが、いつ語るか決めることが第一歩なのだと思います。勉強会が定期的にあるのも、そのためだと考えています。毎回でなくても、語ってみる、語らなければならない場として勉強会が機能するといいなぁと思っています。

 読んでもらっている皆さんにというより、わかっていてもできていない自分に向けて書いている感じなのです。夏休みの宿題なども最終日に青くなって片付けるタイプの私に必要なのは、締め切りかもしれないと思います。今度は自分に締め切りを作ってみたいと思います。