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不安は伝播する

 新年度になって、今年度の出張おはなしの会がスタートしはじめました。昨年度は緊急事態宣言が出されたこともあり中止を含め比較的すっきりと計画が決まりました。けれど今年は状況を見ながら判断することが増えそうです。私たちは呼ばれる側ですから、受け入れ側の決定に従うというのが基本的な姿勢です。新型コロナウィルスに関しては不確定要素が多く、決定する側は厳しい判断を迫られていると想像しています。

 判断のために情報収集しようとすると県や保健所などの公式見解だけでなく実際罹患した人や治療にあたる医師の声などもSNSなどで拾おうと思えば拾えてしまいます。信憑性を抜きにしても不安を煽る材料に事欠かない現状です。

 そして不安は、自分の中でどんどん育ってしまいます。今回のことに限らず最初は些細な出来事だと思っていたのに不安が不安を呼び、いつの間にか何を見ても不安につながるという状況に陥ったことが誰にでもあるのではないかと思います。その上その不安は周りにも影響を与えます。特に解決策、今回で言えば感染した後の治療薬が特定されていない状況では、不安を打ち消す決定的な材料がないので不安が広がりやすいと思います。

 そこで私たちが考えなければいけないのは、不安を伝播させないことです。これだけ新型コロナウィルスが広まると、いつ誰が感染しても不思議はない状況です。そんな中で私たちにできることは感染を広げないことに尽きると思います。短期間で解決しないからこそ極端な形ではなく、マスク手洗い密集をさけるという単純なことを愚直に守ることがきっと良い方向に向かうと信じて不安を自分のところで留め置いていくことが大事だと思います。決め手となる解決策が見つかれば先回りしなくても情報は届くはずです。今自分がやるべきことをやりながら、待つことも大事です。