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聞きたい

 ストーリーテリングを聞く機会が減っています。昨年から人が集まることが危険と隣り合わせという状況では致し方ないと思って過ごしてきました。けれど予断を許さない部分はあるにせよ、きちんと対策すればできることもある、という段階にようやくなってきました。

 それを踏まえて聞きたい気持ちを解禁してもいいのかもしれないと感じています。語り手として、読み手として活動するには、やはり聞くことが大事です。語るだけ、読むだけでは枯渇していく感じがします。1年に2回くらいでしたが今までやっていたおとなのおはなしの会は、まとまった数のストーリーテリングを聞く機会として貴重だったのだと思います。そして今まとまった数を聞きたいと切実に思います。

 けれどお互い距離を取り、マスクをしてとなると、今までと同じ条件で聞く機会を作るのは無理です。声が通りませんし、聞こえるように声を出そうとすると息が切れます。自然な声で語るには聞き手の数を減らすしかありません。勉強会は今まで通りやっているので、いっそ勉強会のやり方を変えるか、勉強会のメンバーをその時だけ組み換えたりしたら、できそうだと思いつきました。勉強会と別口に組んでもいいのかもしれません。そしてたくさん聞くには語る方も複数のおはなしを語ることになります。これは今までにない取り組みです。私たちは語る経験が長くても複数の話を同時に語る経験は少ないです。制限があるからこそ新しいことにチャレンジしてみるのも悪くないと思います。