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集団のおもしろさ

 昨日、保育園で読み聞かせをしました。1歳児2歳児混合のクラスでしたが、まだ幼いことと新入園児もいることで落ち着かないかも知れないという園側の説明を受けていました。でも実際やってみると、思いの外よく聞いて、担任の先生も読んでいる私も嬉しい誤算でした。

 うまくいった理由は、落ち着かない子を先生がきちんと把握していて立ち歩かないよう座り方を工夫してくださったこと、先生が落ち着かない子の隣に寄り添って声がけしながら絵本に導いてくださったこと、そして集団の効果があると感じました。

 読み聞かせやストーリーテリングでの集団の効果というのは、聞き手同士が影響され合うことを指します。具体的には深く物語に入り込む子に引っ張られて集団が深く物語に入り込むことで、聞きが深くなるという言い方もします。今回持っていった絵本がぴったりだったようで、この年代の子どもたちとしては珍しいほど集中して聞いてくれました。私が感じている子どもの集中は受け取ることに比重がかかることです。子どもは画面を食い入るように見つめ、じっと動かなくなり、無言になります。赤ちゃん絵本を持っていったので、読み手が聞き手に声をかけたり、言葉を足したりしましたがそれでも聞きが深かったのです。一般的に物語絵本と違って赤ちゃん絵本で聞きが深いと感じることはあまりないのです。色々な要素が絡み合って生まれた結果で、再現はできないことだと思いますが、それでもこんなことが起きるから集団への読み聞かせはやめられないと思いました。集団のおもしろさを強く感じました。