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出張先

 おはなしざしきわらしの会は活動の拠点を公共図書館とし、図書館でのおはなしの会を続けてきました。そしてその延長線として出張おはなしの会を続けています。出張おはなしの会は私たちの趣旨をご理解いただき、単発ではなく継続して関わってくださる所へ伺っています。主な出張先は保育園です。そして物語を受け取れる子どもたちを目指して子どもたちの聞き方に合わせてプログラムを組んで活動してきました。そして最終的にはストーリーテリングを楽しんで欲しいと考えてきました。けれど私たちが出張を始めた頃に比べると最近は、ストーリーテリングまで持っていけないのが現状です。20年前は年少さんでも年度末になれば聞き始めることもあったストーリーテリングは年中さんでは難しくなり、年長さんになってようやく取り組むという形になっています。私たちは継続して活動しているせいか今まで保育園で創意工夫しながらの活動にあまり疑問を持たずにきました。

 けれど最近もしかしたら出張おはなしの会の活動場所が違うのではないかと思うようになりました。私は本はともだち事業で小学校に入っています。すると私たちが保育園で関わった子どもたちがいるクラスに入ることがあります。聞きなれた子は聞く集団の中の核となって聞きなれない子を引っ張ってくれることがあります。けれど小学校ではそのようなことはほとんど起こりませんでした。理由は今同じ保育園から同じ小学校へ行く比率が低くなっているからだと予想しています。保育園でのおはなしの会からの積み重ねが活きるのは同じ保育園からほぼ全員が同じ小学校へ行く場合ですが、今はそういう小学校はほとんどありません。現状に合わせて活動場所を考える時期にきているのかもしれないと感じています。