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おもしろいと思い続けること

 おはなしざしきわらしの会は活動が継続していることを褒められることがあります。活動はいつの間にか30年を超えているので、継続していることが耳目を集めるのだと思います。けれど続けることだけを目標にしてきたわけではありません。私たちのストーリーテリングや読み聞かせを聞きたいと思ってくれる聞き手がいたから続いてきたのだと思いますし継続は結果だと感じています。またなぜ続いているのかという質問をもらうこともあります。何が原動力かと思い返してみると物語を物語として楽しむ仲間を増やしたいという気持ちだと思います。これは語り手だけでは成り立たない活動だからこその理由かもしれません。そして活動するにあたって、目標をたて計画をたてといった円滑に活動できるような手法はたくさんあります。組織の作り方も様々です。けれど失敗しないこと、転ばないことが活動として充実するわけではないと振り返って思います。意外と困ったことが起きてから対応してもなんとかなることもあるという経験もしてきました。

 そして現状に満足したことがないかもしれません。聞き手が様々ですし、語り手もいつも同じ状態ではありません。いつも聞き手を観察し、自分の状態を見極め、次のおはなしの会のことを考えてきました。その繰り返しが今につながっています。いかに物語を物語として楽しんでもらえるかと考えることはいつもおもしろいことでしたし、今もおもしろいです。そして何より物語はおもしろく、物語に浸ることは喜びです。何かを続けることの秘訣はおもしろいと思い続けることかもしれません。