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絵本の使い方

 絵本の守備範囲の広さは絵本の活用方法にも現れています。現在上田市の各小学校にはそれぞれ読み聞かせのボランティアグループがあります。グループを立ち上げた際には保護者が活動の中心でしたが、最近は新しく参加する人が減りメンバーの交代が難しく卒業生の保護者や地域の人を交えて活動されているところも増えてきました。また読み手の確保のため地域に限らず広く希望者を募る形で展開している学校もあります。こういったグループは、どこの学校に所属しているのかということ以外は、読む本も読み方も読み手に任されていることが多いと聞きます。保護者や地域の人を子どもたちが間近で感じるための時間でもあるのでしょう。そしてやり方を本人に任せることでよりその人を感じることができるのでこの場合主役は読み手なのだと思います。実際学校で読み聞かせをしている人たちの読み聞かせを聞くと他の追従を許さない個性を感じることも多いです。そんな時、絵本は何を選びどう読むかで人となりを感じるという使い方もできるのだと気づかされます。他にも学校での実践例で『もりのスパゲッティやさん』という本を読み聞かせ、そこに出てくるスパゲッティを給食で出し、レシピを配るといった形で物語を本の中で終わらせない読み聞かせもあります。物語の中の出来事を意図的に現実へ持ち出してみせ、子どもの知的好奇心を刺激しているのだと思います。

 このように読み聞かせと一口に言っても様々な絵本の使い方があります。私たちは多様性を感じつつ絵本を使って何をしたいのかを見失わないように活動していきたいと考えています。