おはなしとコロナ禍

 ここへきて、一気に感染警戒レベルが上がったために、公共施設の利用制限が始まりました。図書館主催事業の「おはなしと本の会」も8月は中止が決まりました。当面、図書館利用も来館者は30分以内の利用、閲覧室閉鎖、会議室利用は団体ごとの判断となりました。昨年の4月からの緊急事態宣言の時のように閉館までは追い込まれていませんが、今後の情勢によっては予断を許さない状況です。自分たちができることをやって事態の沈静化を待つしかないのですが、無力感を強く感じる展開です。これからお盆を迎え例年なら夏休みの帰省ラッシュの時期ですが、今年もできるだけ外出を控えることになりそうです。

 私たちの活動は、事前の準備が必要です。ストーリーテリングで何を語るのかどの絵本を読むのかは1ヶ月位前には決めています。そのため先が見えない状態だと準備が難しくモチベーションが保てなくなりがちです。けれど去年の図書館が閉館になった時もそうでしたが、予定が立たないなら立たないなりの取り組み方ができます。こういう時は期限を必要としないことに取り組むのがいいと考えています。例えば、以前ボツになったおはなしに再度挑戦するとか、やったことのない長いおはなしに挑戦してみるとか、挑戦する機会なのだと思います。普段コンスタントに「おはなしの会」をしていると、意外とこういった挑戦はしにくいものです。せっかくですから新しいおはなしに挑戦してみてください。私自身振り返ってみると、子どもをおんぶしながら覚えたおはなしといったようにその時の生活と共に思い出すおはなしがあります。この夏自分のものにしたおはなしはコロナ禍の中での東京オリンピックの記憶と共に思い出すおはなしになるかもしません。