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都合の良い時

 私たちは「おはなしの会」をイベントではなく日常的なものとして捉えているので定期的に「おはなしの会」をする事が望ましいと考えています。日常的といっても自宅で家族に読んでもらう読み聞かせには程遠いですが、それでもある程度一定のリズムを作って「おはなしの会」をしたいと思っています。

 そして図書館で行う「おはなしの会」は、聞き手にわざわざ「おはなしの会」のために足を運んでもらうことになるので、聞き手の都合を考慮に入れる必要があります。わかった風に書いていますがこれは失敗から学んだ事です。私たちがおはなしざしきわらしの会を立ち上げた当初はメンバーがすべて未婚だったため子育ての経験がなく聞き手の都合まで思い至らずにおはなしの会の日程を決めていました。皆仕事を持っていましたので、日曜日の午後2時という自分たちが集まりやすいことを優先した日程でした。子育てを経験した今ならわかりますが、年齢の低い子どもはお昼寝をするので、家族構成によっては子ども連れで出かけるのは難しい時間帯です。おはなしの会をやっていくうちにこの問題点に気がついていきました。

 また日時の設定は「おはなしの会」にきて欲しい年齢層を絞り込むための決め手にもなることを経験から学びました。既に集団生活を送っている子どもたちは平日は保育園なり学校なりに行っているという当たり前のことに気がついていったのです。その上子どもたちは年々忙しくなり、集団生活以外でも習い事や塾などスケージュールが過密になっていますし、おとなも働き方が変わってきているので、送り迎えが必要なことを定期的に組み込む事が難しい感じになってきています。

 そこで私たちは、今までのように「定期的にやっているから都合の良い時に来て欲しい」というスタイルより、生活の中に取り込んでもらえるような工夫が必要かもしれないと考えています。私たちの活動の目的が子どもたちが物語に親しみ自分で読めるようになって欲しいというところにあるのは、図書館の存在意義と共鳴していると感じています。そして読書がそうであるように図書館も暇があったら、都合がよければ行くというより返却期間に合わせて図書館に通う事が生活に組み込まれていって欲しいと考えています。そう考えると図書館に通うことに連動した「おはなしの会」を目指したら良いのかもしれないと思います。図書館に行くついでに「おはなしの会」を聞いていくというのが、私たちの目指す活動の形かもしれないと改めて思います。具体的にどうしたら良いのかまで整理がついていませんが、夏休みの宿題で考えてみたいと思います。