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絶え間なく出版される

 この活動を始めてから新たに出版される絵本を好奇心のまま懐の許す範囲で買い続けてきました。私は買った方が図書館で借りて読むより絵本の価値を見極めやすかったからです。そうして買い溜めてきた絵本は、その時は心惹かれたけれど一過性のものだったという作品と今も古びずにまた読みたいと思わせる作品に分かれます。時代を超えるということを実際の時間経過と共に見守ったことになったのだと思います。ただ最初は時代を超えられない作品と感じるのが絵本の力なのか自分の感性の変化のせいなのか判断がつかないことも多く、客観性に欠ける判断かもしれないと思っていました。絵本を評価すること自体、基本的に読み手の好みと切り離せない部分があります。そのため自分のみに通用する基準なのか一般的に通用する基準なのかの判断が付きにくいものではあります。そんな中でもう一つ頼りになったのが、私たちが継続して読み聞かせをしていることです。自分たちがやっている活動に使えるのかという基準は個人の趣味の範疇から抜け出す手助けをしてくれました。時代が変わっても聞き手が存在すること、そして読み手が一人ではないことは客観性を育む上で重要な条件になりました。

 そして今は、新しく出版される絵本に魅力を感じなくなってきているという問題を抱えています。買いたいと思う絵本に出会わなくなってきているのです。これは出版される本の問題なのか、加齢と共に自分の好奇心が衰えてきているのか、今のところ判断がついていません。加えて読み聞かせに使いたい絵本は既に読み切れないほどあり、新しい絵本はそれらと差し替えてまで入れたいのかと考えるので、以前より購入する際の基準のハードルが上がっているのだと思います。今後は新しい絵本との付き合い方を考えていきたいと思っています。