今まで話すことで伝えてきたことを、書くことで伝えようとしてきて気がついたことがあります。それは話すことと書くことでは私自身が考えていることという源泉は同じでも回路が違うのかもしれないということです。書けなかったのは書くという回路が開通するまで書くことに取り組んだことがなかったからだと思います。そして苦戦しましたがようやく回路が出来てきた感じがします。書くという回路は今まで表現できなかったことを表現するツールのような気がしています。話すことと書くことでは表現方法が違うからというだけでなく、説明するために考えをまとめる段階で必要とする素材が違う感じなのです。話す時には使わない材料を書く時には使いたくなるという感じでしょうか。そのために話しているだけでは触れられなかったことにまで踏み込んで書いているという感覚があります。
ただ話すことと違って書くことはどう受け取られているのかが全く見えずに孤独な作業だと感じます。私が話す方が好きなのは伝わっているかどうかを感じることができるからだったのだと今思います。そして話す時は伝わり方によって説明を加えたり説明の仕方を変えたりできますが、書くときはそれができないので気になります。けれど修正を必要としないような完成度を目指すのが書くということなのかもしれないとも思うようになりました。それでも書く側としては読んでくれた人とやりとりできるともっと整理できるのにと思うこともままあります。うまく受け取れなかったことやそうかなと思ったことを聞きたいと思うのは書き手としての甘えなのか、私の習性なのか自分では判断がつきません。また継続して読んでくださっているのは友人だけだと思うので、こんなことを堂々と書いてしまえるのかもしれません。でも甘えついでに私の新しい回路を育てると思って感想をくださると嬉しいです。