· 

おはなしと本の会

 昨日は2ヶ月ぶりのおはなしと本の会でした。私たちは感染警戒レベルで図書館での行事の開催の可否が決まるというコロナ対応にようやく慣れつつあります。けれどおはなしの会をやる側がこの調子で聞きにきてくれる人はどうなのだろうと心配していました。おはなしと本の会を目的に図書館に来てくれる事を目指してきた私たちは定期的に会を開く事を大切にしてきました。来てくれる人が予定を立てやすいように、常連になってくださりやすいようにと考えてきたからです。けれどこの定期的にが守れない事態になっている今、聞きにきてくれる人がいないかもしれないと思ったのです。幸い聞き手がいないという事態は避けられましたが、本を借りにきた人が偶然その時間にいたので聞いていってくれたという感じでした。足を運ばないと出会えないものだと感じてもらうことに、より力を注ぐ必要が出てきたのだと思います。

 それはおはなしと本の会に限らず、何となく集まってもらっていた行事のあり方が変わっていくのだろうと感じています。オンラインなどの集まらない形でも成り立つものは集まらない方向で定着するのではないかと予測しています。そんな中でおはなしと本の会は集まらないと成り立たないものだとすれば、やり方を工夫する必要があります。偶然昨日、メンバーが保管していたおはなしざしきわらしの会が1986年に1周年を迎えた時の写真を見ました。30年以上前の自分の姿は自分だと認識するのにちょっと時間がかかる位で複雑な気分になりましたが、何より驚いたのが聞き手の数の多さでした。あの当時おはなしの会というもの自体が目新しく上田市では上田図書館以外でやっていないことだったので集客力があったのだと思いました。子どもたちもお家の人も今ほど忙しくなく小学生をターゲットにしても成り立っていた当時を思い出しました。そして小学生にきて欲しくても大人も子どもも忙しくて日時を決めて図書館に足を運ぶことが難しくなるといった時代の変化に対して私たちは図書館でおはなしの会が成立する事を優先し対象年齢を下げる事で対応してきました。乳幼児期から月1回図書館へ行くことが習慣になれば小学生になってもきてくれるかもしれないという期待を込めての方向転換でした。そして聞いてくれる人数は多くありませんがストーリーテリングを聞く場を守ってきました。ですからコロナ禍に伴う変化にも対応できるだろうと漠然とした思いはあります。中止といったどうしようもないことが起こって気持ちが沈みがちでしたが、どう変わろうかと考えたらちょっとワクワクしてきました。渡したいものがあるのですから変化することも楽しんで行きましょう。