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絵本の良し悪し

 絵本の話をするときに難しいと思うのは、良い絵本と悪い絵本があると思われてしまうことです。どうしても絵本を評価している部分があるのでそう思われる方が出るのだと思うのですが、ダメな絵本を見分けているのではありません。絵本も本ですからどんな場面でどんな相手に何を読むかというところで評価は変わります。同じ本でも評価が180度違うことが起こることを知っていて欲しいと思います。例えばこのブログでは集団の読み聞かせに使うことと物語を丸ごと渡すことを前提に絵本を見ているのでそれに適した絵本の見分け方選び方を取り上げています。そして比較した方がわかりやすいので集団の読み聞かせに向かない本に言及することもありますが、それは決して悪い絵本ということではありません。ですから好きな絵本が否定されたとがっかりされる必要はないのです。私たちの方針での読み聞かせに使えないというだけで、本自体に問題があるという見方はしていません。

 説明がつかないけれど無条件で惹かれる本というのはあります。絵本であってもそういった本はそういった本で大切にしていくことが読み手としても大事なことだと思います。読み聞かせに使えるかどうかだけで絵本を見ていくと感性が干からびてしまう感じがします。私などは見分ける機会が多いので絵本を読み聞かせに使えるかだけで判断しているように傍から見えているかもしれませんが、自分の好みはあると感じています。本は読み切れないほどあるので自分だけでは探し当てられない本というのもたくさんあるのだと思います。ですから勉強会などで読んでもらって、もしくは紹介されて出会うことで自分の好みも広がっていくのだと思います。おとなですら変化する感じがあるので子どもはなおさらだと思います。集団に読み聞かせをするという制約があるために無条件でどの本でもとはいきませんが、条件をクリアした上で文句なしにおもしろいと思う絵本を子どもたちに手渡していきたいと考えています。