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子育て経験

 最近、子育ての仕方は時代によって流行があると感じています。自分が子育てをした時も親世代の子育て観に違和感を感じたことがありましたし、検診や子育て雑誌などからの情報は親世代の時とは違った子育て方法が発信されていたような感じがしていました。そして私は仕事柄子育て世代の人と話をする機会を持ち続けていることもあり、子育て方法というのは流行があるのではないかと思うようになりました。子育て方法としてこうすればいいとかこうすべきだと言われますが子育てに正解はないのではないかと思うのです。どの説も一長一短で、それを実践することで効果が出ればそのために失うものも必ずあります。またそのやり方が合う子どもと合わない子どもがいることも事実です。自分の子育てを振り返ってもあの時あのやり方で良かったと確信が持てるほどのことはない感じがします。言い換えれば違うやり方でも困らなかったのではないかと思うのです。大事なのは子どもと真剣に向き合うことで、悩むこともまたその真剣さの表れなのだと通り過ぎた今では思います。これを当事者に伝えても解決策に悩んでいるのにそんな一般論を言われてもと感じるだろうなあとも思います。ですからこうしたほうがいいという方法を伝えるのではなく大丈夫と言ってあげるのが私たちの世代の役割かもしれないと思います。

 おはなしのお姉さんからスタートしおはなしのおばさんと呼ばれ、気がつけばおはなしのおばあさんと言われても怒れない世代になりました。絵本も物語も変わらず私たちを豊かにしてくれています。この豊かな時間をもたらす絵本や物語に子どもたちが親しんでくれると嬉しいという気持ちは昔も今も変わりません。そして忙しい子育て世代の親御さんたちも日常の忙しさをいっとき忘れて絵本や物語を楽しんでほしいと思います。親子で同じ本を楽しむ時間は意外と短いのは通り過ぎないと実感できませんが、それを伝えるのではなく楽しい時間を持つ手助けができたらいいなあと思っています。今の私たちだからこそできることがあると思います。愚直に続けてきたことで自分たちも少しづつ進化しているのだと思います。